在宅介護の「夜の尿漏れ」を減らしたい。大人用おむつ・パッドの正しい選び方とあて方

在宅介護の「夜の尿漏れ」を減らしたい。大人用おむつ・パッドの正しい選び方とあて方

誰も教えてくれない「介護の朝」の本当のしんどさ

朝、目を覚ました瞬間に感じる、あの独特のにおい。 まだ半分眠っている体で布団をめくった時、シーツがじっとりと冷たく濡れている感触。 その瞬間、「あぁ、またか……」と、言いようのない絶望感に包まれる。

在宅介護をされている方にとって、この「尿漏れ」は単なる家事の失敗ではありません。 「また今日も洗濯機を3回回さなきゃいけない」

 「マットレスまで染みていたらどうしよう」

「私のやり方が悪いせいなのかな」

「いつまでこれが続くんだろう」

そんなふうに、一度や2度ならまだしも毎日続くと、心と体がじわじわと削られていく、終わりの見えない日々に息切れしたくなるような時もあります。

介護が「面倒くさい」と感じるのは、あなたが怠けているからではありません。毎日、それだけ限界まで頑張っているからです。

今日は、そんなあなたの「朝の洗濯」などの負担を少しでもなくし、

少しでも長く眠れるように、大人用おむつと「パッド」の正しい知識を、

どこよりも詳しくお届けします。


多くの人がハマる罠「パッド」って、何枚も入れるものじゃないの?

介護を始めてまず混乱するのが、「オムツ」と「パッド」の違いです。

例えていうなら…パッドは「中敷き」、オムツは「靴」

一番わかりやすい例えは、靴と中敷きです。 外側の「テープ型おむつ」や「パンツ型おむつ」は、いわば。尿を外に漏らさないための「器」です。 そして中に入れる「尿取りパッド」は、いわば中敷き。尿を素早く吸い取る「スポンジ」の役割をします。

なぜパッドを使うのか?

それは、外側のオムツは高いからです。汚れるたびに丸ごと変えていたらお金もかかるし、寝たきりの方の着替えは大変です。だから、中の「パッド」だけをサッと交換して、手間とコストを抑える。それが介護の基本です。

「2枚重ね」が、あなたを苦しめる最大の原因

「漏れるのが不安だから、パッドを2枚、3枚と重ねれば、吸収力が2倍、3倍になるはず!」 実は、これが一番やってはいけない、かつ最も多い失敗です。

理由は3つあります。

  1. 「隙間」を作る: 靴の中に中敷きを3枚重ねたら、足が浮いて靴との間に隙間ができますよね? オムツも同じです。パッドを重ねると、外側のオムツが肌から浮いてしまい、その隙間から尿が「一度もパッドに吸われることなく」外へ漏れてしまいます。これを「隙間漏れ」と呼びます。

  2. 「ゴミと手間」を増やす: 2枚重ねたからといって、2枚目のパッドが綺麗に吸ってくれるわけではありません。大抵は1枚目から溢れた尿が、隙間を伝って外へ逃げてしまいます。汚れたパッドを何枚も剥がし、新しいのを何枚もセットする……。その「面倒くさい作業」が、あなたを疲れさせている正体です。

  3. 「肌」を痛める: 重ねすぎると通気性がゼロになり、お尻は蒸れ、皮膚はふやけます。それが「おむつかぶれ」になり、さらには「褥瘡(床ずれ)」という恐ろしい傷に繋がってしまうのです。


赤ちゃん用と大人用、決定的な「違い」を知る

「子育ての時は、少し大きめを選んでおけば漏れなかったのに……」 

その経験が、介護では仇(あだ)になることがあります。

赤ちゃんは「点」で漏れる、大人は「川」で漏れる

  • 赤ちゃん: 体がムチムチしていて、肌にハリがあります。少しくらいオムツが大きくても、ムチムチの足が隙間を塞いでくれます。尿も少量なので、多少ズレてもオムツのどこかが吸ってくれます。

  • 大人: 加齢とともに筋肉が落ち、特に「足の付け根(そけい部)」には深い溝ができます。大人は一度に尿の量が多く、一気に出ます。その尿は、重力に従って低い方へ、低い方へと流れます。サイズが合っていないオムツだと、その「溝」が尿の通り道(川のよう)になり、一気に決壊するのです。

大人の場合、「大は小を兼ねない」。むしろ人によっては「隙間を埋めるために、ワンサイズ小さいものにする」のが正解なことすらあるのです。


【保存版】朝まで漏らさない「鉄壁のあて方」3ポイント

明日からの洗濯を減らすために、今夜からこの3点だけ意識してみてください。

① ギャザーを立てる

大人用おむつやパッドには、足回りにヒラヒラした「立体ギャザー」があります。 これが寝ていると、堤防のない川と同じです。オムツを広げたら、一度だけ縦にピシッと引っ張ってください。この一瞬の動作で、ギャザーがピンと立ち上がり、尿を受け止める最強の壁になります。

② 「ハの字止め」で隙間を封鎖する(テープタイプの場合)

4本のテープを、全部まっすぐ止めていませんか?

  • 下のテープ: 少し「上(お腹側)」に向けて斜めに止める。これで足の付け根の隙間を締めます。

  • 上のテープ: 少し「下(足側)」に向けて斜めに止める。これでお腹を安定させます。 この「ハの字」にすることで、お腹は苦しくないのに、漏れやすい足の付け根はピタッと密着します。

③ 「夜専用」おむつを使う

2枚重ねるくらいなら、「10回分吸収」などの夜専用の分厚いパッド1枚を使ってください。 今の技術は凄いです。1枚の高性能なパッドは、2枚重ねた薄いパッドよりも、はるかに吸水速度が速く、逆戻りもしません。 「1枚で大丈夫かしら?」という不安を捨てるのが、あなたの自由時間を増やす第一歩です。


まとめ:

介護は、お世話をする時間が必要があります。だからこそ、そこで発生する「面倒くさい」や「絶望」という感情は、決して悪いものではありません。

漏れを防ぐ工夫をすることは、単なるテクニックではありません。 それは、「あなたの睡眠時間を守ること」であり、「朝の笑顔を1秒でも増やすこと」そのものです。

「完璧にあてなきゃ」と思わなくていいんです。 「今日はギャザーを立たせられたから、100点!」 そうやって自分を褒めながら、道具(パッド)を味方につけて、少しでも楽をしてください。

 

おすすめの介護用おしり拭きはこちら

 

ブログに戻る