流せるおしり拭きと流せないおしり拭きの違いを徹底比較

流せるおしり拭きと流せないおしり拭きの違いを徹底比較

はじめに

おしり拭きには「流せるタイプ」と「流せないタイプ」の2種類があります。パッケージを見ただけでは、何が違うのかわかりにくいという方も多いのではないでしょうか。本記事では、この2種類のおしり拭きの違いについて、素材、使用感、環境への影響など、様々な角度から詳しく解説します。


流せるおしり拭きと流せないおしり拭きでの素材の違いは?

流せないおしり拭きの素材

流せないタイプのおしり拭きは、合成繊維が主成分となっています。

  • ポリエステル
  • ポリプロピレン
  • レーヨンとポリエステルの混紡

これらの合成繊維は、非常に丈夫で破れにくく、水に濡れても強度を保ちます。そのため、しっかりと拭き取ることができ、使用感が優れています。しかし、この強度の高さが、水に溶けない理由でもあります。

不織布の構造

流せないおしり拭きは、繊維を熱や圧力、接着剤で結合させた「不織布」で作られています。この構造により、繊維同士が強く結びついており、水に浸けても形が崩れません。

流せるおしり拭きの素材

一方、流せるタイプのおしり拭きは、水に分散しやすい特殊な素材で作られています。

水解性素材の使用

  • 100%パルプ(木材繊維)
  • 水解性レーヨン
  • 天然繊維ベースの素材

これらの素材は、水に触れることで徐々に繊維がほぐれていく性質を持っています。トイレットペーパーに近い構造ですが、使用時には十分な強度を保つよう設計されています。

結合方法の違い 流せるおしり拭きは、繊維を弱い結合で組み合わせています。この弱い結合が、水中で時間が経つとほぐれていく仕組みです。接着剤も水溶性のものが使用されており、水に溶けやすくなっています。

使用感の違い

厚みと強度

流せないおしり拭き

  • 厚手でしっかりしている
  • 拭く際に破れにくい
  • 1枚でしっかり拭き取れる

流せるおしり拭き

  • やや薄手に感じることが多い
  • 水解性を持たせるため、強度は控えめ
  • 破れないよう慎重に扱う必要がある場合も

肌触りと保湿感

流せないおしり拭き

  • 柔らかく滑らかな肌触り
  • 保湿成分を多く含むことができる
  • しっとり感が長持ち

流せるおしり拭き

  • 肌触りはやや硬めなことが多い
  • 保湿成分は少なめ(水解性を保つため)
  • さっぱりとした使用感

サイズと枚数

流せないおしり拭き

  • 大判サイズが多い
  • 1パックあたりの枚数が多い
  • コストパフォーマンスが良い

流せるおしり拭き

  • やや小ぶりなサイズが多い
  • 1パックあたりの枚数は少なめ
  • 価格はやや高め

使用後の処理方法

流せないおしり拭きの処理

ゴミとして廃棄 使用後は、ビニール袋などに入れて可燃ゴミとして処理します。特に赤ちゃんのおむつ替えや介護の場面では、専用のゴミ箱や消臭袋を使用することをおすすめします。

絶対にトイレに流してはいけない 流せないおしり拭きをトイレに流すと、配管の詰まりの原因になります。下水処理施設でも問題を引き起こすため、必ずゴミとして処理してください。

流せるおしり拭きの処理

トイレに流せる 使用後はトイレに流すことができます。ただし、正しい流し方を守る必要があります。

正しい流し方

  • 1枚ずつ流す
  • 水量は「大」で流す
  • 複数枚使用した場合も、1枚ずつ順番に流す

ゴミとして処理してもOK 流せるタイプでも、配管が古い場合や浄化槽を使用している場合は、ゴミとして処理する方が安全です。

価格の違い

コスト比較

一般的に、流せるおしり拭きの方が価格が高めです。

流せないおしり拭き

  • 1パック(60〜80枚入り):200〜400円程度
  • 1枚あたり:約3〜5円

流せるおしり拭き

  • 1パック(40〜60枚入り):300〜600円程度
  • 1枚あたり:約7〜10円

製造コストの違いや、水解性素材を使用していることが価格差の理由です。

環境への影響

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流せないおしり拭きの環境負荷

ゴミの増加 使用後はすべてゴミとして処理されるため、廃棄物量が増えます。特に赤ちゃんや要介護者がいる家庭では、大量のゴミが出ます。

分解されにくい 合成繊維は自然界で分解されにくく、埋め立て処理された場合も長期間残ります。

流せるおしり拭きの環境負荷

ゴミの削減 トイレに流せるため、家庭ゴミの量を減らすことができます。

下水処理施設への負担 完全に溶けるわけではないため、下水処理施設では処理の負担になることがあります。ポンプやスクリーンに絡まるケースも報告されています。

水の使用量 確実に流すために水量「大」で流す必要があるため、水の使用量は増えます。

どちらを選ぶべき?用途別の推奨

赤ちゃんのおむつ替え

流せないタイプがおすすめ

  • 厚手でしっかり拭き取れる
  • 保湿成分が豊富で肌に優しい
  • コストパフォーマンスが良い
  • おむつと一緒にゴミ箱に捨てられる

赤ちゃんの場合、1日に何度もおむつ替えをするため、使用感が良く、コストが抑えられる流せないタイプが実用的です。

大人の使用(一般家庭)

どちらでもOK

  • 衛生面を重視するなら流せるタイプ
  • コストと使用感を重視するなら流せないタイプ
  • 配管の状態や使用頻度で判断

一般家庭では、好みや状況に応じて選べます。たまに使う程度なら流せないタイプでも十分です。

介護での使用

状況に応じて使い分け

流せるタイプが向いているケース

  • 使用頻度が非常に高い
  • ゴミの量を減らしたい
  • 衛生管理を重視する
  • 配管が新しく、下水道が整備されている

流せないタイプが向いているケース

  • しっかり拭き取る必要がある
  • 配管が古い、または浄化槽を使用している
  • コストを抑えたい
  • 肌への優しさを重視する

外出先での使用

流せないタイプが無難

  • 公共のトイレでは流せるタイプでも詰まりのリスクがある
  • 持ち帰って処理する方が安全
  • ジップ付きの袋に入れて持ち運ぶ

外出時は、使用後のおしり拭きを持ち帰ることを前提に、流せないタイプを選ぶ方が無難です。

よくある誤解と注意点

誤解1:「流せる」=「完全に溶ける」

流せるおしり拭きは、水に溶けるわけではなく、「水中で分散する」だけです。繊維自体は残るため、トイレットペーパーとは異なります。

誤解2:流せるタイプは何枚でも一度に流せる

「流せる」と表示があっても、複数枚を一度に流すと詰まりの原因になります。必ず1枚ずつ流してください。

誤解3:流せないタイプも少量なら流せる

流せないタイプは、たとえ1枚でも絶対にトイレに流してはいけません。合成繊維は水に分散せず、配管の詰まりや下水処理施設のトラブルを引き起こします。

誤解4:流せるタイプの方が環境に優しい

一概には言えません。水の使用量や下水処理の負担を考えると、流せないタイプをゴミとして適切に処理する方が環境負荷が少ない場合もあります。

製品パッケージの見分け方

流せないおしり拭きの表示

  • 「トイレに流さないでください」という注意書き
  • 「可燃ゴミとして処理」の指示
  • 素材欄に「ポリエステル」「ポリプロピレン」の記載

流せるおしり拭きの表示

  • 「トイレに流せます」という明確な表示
  • 業界団体の認証マーク
  • 素材欄に「パルプ」「水解性繊維」の記載
  • 「1枚ずつ流してください」という注意書き

購入時は必ずパッケージを確認し、自分の用途に合った製品を選びましょう。

両方を併用する賢い使い方

ハイブリッド方式

実は、流せるタイプと流せないタイプを併用することで、それぞれのメリットを活かすことができます。

基本は流せないタイプ 日常的な使用や、しっかり拭き取りたい場合は流せないタイプを使用します。コストも抑えられ、使用感も良好です。

必要に応じて流せるタイプ

  • 来客がある時
  • ゴミを出したくない時
  • 外出から帰った直後など、すぐに処理したい時

このように使い分けることで、コストと利便性のバランスが取れます。

介護での併用例

介護の場面でも併用が効果的です。

汚れがひどい場合

  1. 最初の1〜2枚は流せないタイプでしっかり拭き取る
  2. 仕上げの1枚だけ流せるタイプを使う
  3. 流せないタイプはゴミへ、流せるタイプはトイレへ

この方法なら、拭き取り効果を確保しながら、ゴミの量も減らせます。

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