防災として高齢者のお尻拭きや紙おむつのストックは必要?台風シーズンに備える衛生用品の重要性

防災として高齢者のお尻拭きや紙おむつのストックは必要?台風シーズンに備える衛生用品の重要性

はじめに:見落とされがちな防災アイテム

9月の防災の日、そして台風シーズンの到来。多くの家庭で非常用の食料や水、懐中電灯などの備蓄を見直す時期ですが、高齢のご家族がいる場合、忘れがちなのが「衛生用品」の準備です。

特に、お尻拭きや紙おむつなどの排泄関連用品は、災害時に入手困難になりやすく、高齢者の健康と尊厳を守るために欠かせないアイテムです。

なぜ高齢者向け衛生用品の備蓄が重要なのか

1. 災害時の流通停止リスク

台風や地震などの自然災害時、一般的な防災用品は比較的早く供給が再開されますが、介護用品は需要が限定的なため、流通の優先順位が下がることがあります。

2. 高齢者特有のニーズ

  • 身体機能の低下:トイレまでの移動が困難になる場合がある
  • 服薬の影響:利尿剤などの薬による頻尿
  • ストレス反応:災害時の緊張により排泄コントロールが困難になることも

3. 衛生面での深刻な影響

清潔を保てないことで、皮膚炎や尿路感染症などの二次的な健康被害が発生する可能性があります。

備蓄すべき衛生用品リスト

必須アイテム

  • 紙おむつ:普段使用しているサイズの1〜2週間分
  • お尻拭き:アルコールフリーの大容量パック
  • 尿とりパッド:軽失禁用から夜用まで複数のタイプ
  • 防水シーツ:使い捨てタイプを複数枚

あると便利なアイテム

  • ドライシャンプー:水なしで髪を清潔に保てる
  • 体拭きシート:全身用の大判タイプ
  • 使い捨て手袋:介護時の衛生管理用
  • 消臭スプレー:室内環境改善用

適切な備蓄量と保管方法

備蓄の目安

災害発生から支援物資が届くまでの期間を考慮し、最低3日分、可能であれば1〜2週間分の備蓄を推奨します。

計算例(1日10回交換の場合)

  • 3日分:30枚
  • 1週間分:70枚
  • 2週間分:140枚

保管のポイント

  • 湿気対策:密閉できるプラスチックケースに保管
  • 温度管理:直射日光を避け、風通しの良い場所
  • アクセス性:緊急時にすぐ取り出せる場所
  • 定期チェック:3〜6ヶ月ごとに在庫と使用期限を確認

 

平常時からできる準備

1. かかりつけ医との相談

災害時に想定される身体状況の変化について、事前に医師と相談しておきましょう。

2. ご本人・ご家族への説明

災害時の備えとして、恥ずかしがらずに必要性を理解してもらうことが大切です。

3. 近隣との情報共有

同じような状況の近隣住民と情報交換し、必要に応じて共同購入や融通し合える関係を築きましょう。

4. 自治体の支援制度確認

お住まいの自治体で災害時の介護用品支援制度があるかを事前に調べておきましょう。

災害時の使用における注意点

衛生管理の重要性

  • 手洗いまたは手指消毒の徹底
  • 使用済み用品の適切な処理
  • 定期的な体位変換(床ずれ予防)

水不足時の対応

  • ドライシャンプーや体拭きシートの活用
  • 可能な限り部分的な清拭を実施
  • 通気性を保って皮膚トラブルを予防

費用を抑える工夫

1. まとめ買いの活用

普段から大容量パックを購入し、使った分だけ補充する「ローリングストック法」がおすすめです。

2. 汎用性の高い商品選択

高齢者専用でなくても、大人用として使える商品を選ぶことで、家族全体で使い回しが可能です。

3. 自治体の補助制度

介護保険や自治体の助成制度を活用できる場合があります。

おわりに:日頃の備えが安心につながる

高齢者の衛生用品の備蓄は、決して特別なことではありません。食料や水と同じく、人間の基本的な生活を支える重要なインフラです。

台風シーズンを前に、ぜひ一度ご家庭の備蓄状況を見直してみてください。普段から少しずつ準備することで、いざという時の安心につながります。

今すぐできるアクション

  1. 現在の備蓄量をチェック
  2. 不足分のリストアップ
  3. 次回の買い物で1〜2週間分を目標に購入開始
  4. 保管場所の確保と整理

災害は突然やってきます。大切なご家族の尊厳と健康を守るため、今日から備えを始めませんか。


この記事は一般的な防災情報を提供するものです。個別の医療・介護状況については、専門家にご相談ください。

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